2020年、Sumitはインドから日本へ移住し、機械工学の経歴からフルタイムのフリーランス映像作家へと転身しました。 このインタビューでは、日本に来る前に抱いていたイメージと実際の生活との違い、フリーランスとして活動する中での喜びや困難、そして日本での暮らしがどのようにクリエイティビティと情熱を後押ししてきたのかについて語ります。
自己紹介
出身地や現在の活動など、ご自身について少し教えてください。
私はスミットです。インドのプネー出身で、教育機関が多いことで知られている都市です。日本にはおよそ4年前に来ました。もともとは機械工学を学び、その分野で働いていましたが、この2年間はフリーランスの映像作家兼フォトグラファーとして活動しています。 現在はまだ映画の監督はしていませんが、とても興味があります。10〜15分程度の短編で、一つのストーリーに沿った作品を作りたいと考えており、今年中に1本制作する予定です。構想はいくつかありますが、まだ完成した脚本はありません。 また、俳優や編集者、同じ分野のクリエイターとも多くつながっていて、将来的には一緒に素晴らしい作品を作れたらいいなと思っています。
きっかけ
最初に動画を作り始めたきっかけは何ですか?
プロとして活動する前は、映像は趣味でした。大学時代、カメラとその表現力に魅了されましたが、それが将来の仕事になるとは思っていませんでした。その後、徐々に動画制作に取り組むようになりました。自分の作品を観たときの喜びは本当に大きく、「これを自分が作ったんだ」と実感できるあの瞬間が、続けるモチベーションになりました。
それがどうやって趣味から仕事になったのですか?
初めてカメラを購入したとき、イベント撮影のチャンスをもらいました。兄の友人が主催するイベントで、撮影を任せてもらったんです。自分が本当にできるか不安でしたが、結果的に良い写真を撮ることができ、その経験で自信がつきました。「これなら副業としてもできるかも」と思いましたし、才能があるなら活かさない理由はないですよね。 写真は一瞬を切り取るものですが、映像はゼロから何かを生み出すものです。アイデアを形にして、物語として伝えることができます。私はずっと映画やその制作過程に刺激を受けてきたので、自分でも映像を作ってみたいと思いました。 最初に作った映像はいまでも覚えています。大学時代、クラスメイトとシェアハウスのようなアパートに住んでいて、スマホで短い動画をたくさん撮っていました。ある日、それらを編集して音楽をつけてみたんです。とてもシンプルでしたが、みんなにとって素晴らしい思い出になりました。
つくる楽しさと難しさ
動画制作をしていて一番嬉しい瞬間は何ですか?
自分が作ったものを人が見て、評価してくれたときです。それがブランドとのコラボや大きなプラットフォームで公開されたときは、特に誇らしい気持ちになります。 それに、個人的な達成感もあります。頭の中で思い描いていた映像が思い通りの形になったときは、特別な感覚があります。さらに、その作品を受け取った人が共感してくれたら、なおさら嬉しいですね。
逆に、一番大変な瞬間は何ですか?
締め切りが厳しいときや、経験のない要望に対応するときです。例えば、特定の編集スタイルややったことのないアニメーションなど、新しいことを短期間で学んで仕上げる必要があるときは本当にプレッシャーを感じます。でも、その分成長にもつながります。 正直、時間が経つと自分の作品の7割くらいは好きではなくなりますね。完成直後は満足していても、1週間後に見返すと「何をしてたんだろう」と思うこともあります。多くのクリエイターが同じ気持ちを経験していると思います。 時には締め切りを守るためにクオリティを妥協しなければならないこともあります。でも大事なのは、その経験から学び、次の作品でより良くすることだと思っています。
日本や東京への想い
あなたにとって日本はどんな場所ですか?
とても美しい国です。芸術や仕事、伝統、自然に至るまで、人々が細部に強くこだわっているのを感じます。食べ物も本当においしいです。 最初は、インドのように気軽に人とつながれる感覚が少し恋しく感じました。でも時間が経つにつれて日本での生活に慣れ、今ではとても楽しんでいます。フリーランスとして働くことは、自分が本当にやりたいことに近づくための最初のステップでした。
なぜ他の国ではなく日本を選んだのですか?
実はスウェーデンで修士課程を取ることも考えていました。でも、日本の文化や自然、そして仕事の効率の良さにずっと惹かれていました。特に2011年の震災後、国全体がとても早く復旧したことには大きな感銘を受けました。その回復力の高さが印象的でした。
日本に来てから、日本に対する印象は変わりましたか?
想像していた通りの部分もありますが、意外だったのは、人々が「マニュアル」に沿って行動することが多いという点です。インドには「ジュガード」という文化があって、低コストで創造的な解決策を見つけるやり方です。日本はそれとは対照的ですが、その分、仕事の精度や完成度がとても高いなと感じました。
今のここでの生活は、想像していた通りですか?
想像以上です。日本に来てから、以前より集中力が増し、努力するようになりました。ここでの生活を通して、「努力すれば、かつては無理だと思っていたことも実現できる」ということを実感しました。
インドではそれを実現するのは難しいんですか?
そうですね、ある意味では難しいと言えます。インドでは気が散る要素や対応しなければならないことが多く、何かをやり遂げるまでに時間がかかることもあります。その点、日本で一人暮らしをしていると、集中しやすいですね。
これからの道のり
今後の方向性についてどう考えていますか?
映像制作の分野でこれからも成長を続けていきたいです。いつかは自分のプロダクションを立ち上げたり、プロジェクトで世界中を旅したりするかもしれません。これまでの経験から学んだのは、「レベル2にいるときにいきなりレベル10には行けない」ということ。だからこそ、一歩ずつ段階を踏んで、その過程を楽しむことが大切だと思っています。
次のレベルに到達するにはどうしますか?
とにかく多くの仕事をこなし、失敗し、そこから学ぶことです。それに加えて、しっかり考えたうえでリスクを取ることも大切です。少なくとも50%は成功できると感じたら、挑戦します。
初心者へのアドバイスはありますか?
自分ができると信じたことには全力で取り組んでください。そうすれば、自然と道が開けます。私はそれを実際に何度も経験してきました。
モチベーションはどうやって保っていますか?
同じ志を持つ人とつながることです。一人だと簡単に諦めてしまいますが、仲間がいれば大変なときでも楽しくなります。人はつながりを通じて成長するものだと思います。
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