UMU Tokyo

umu(うむ)は、東京にゆかりのある国内外のクリエイターにインタビューし、そのリアルな声や生き方を日英バイリンガルで発信するインディペンデント・メディアです。

クリエイティブはプロスポーツ選手のようなものなのかも。アートディレクターへの挑戦

Momo

2025年9月7日

クリエイティブはプロスポーツ選手のようなものなのかも。アートディレクターへの挑戦

インテリア輸入家具の会社で働きながら、個人でZINEやカレンダーなどの創作活動も行うMomo。やりたいことがたくさんあり、情熱的な彼女は、グラフィックデザイナーやアートディレクターを目指して学校に通っています。ジン制作をきっかけに人生がクリエイティブな方向へ大きく転換し、「人生が変わった」と語るそのストーリーを深掘りします。

自己紹介

自己紹介をお願いします。

インテリアの輸入家具の会社で働いています。主に新商品の撮影など、企画のポジションを担当しています。 その傍らグラフィックデザイナーを目指して学校に通っています。 趣味でzineを作っていて、zineフェスに出展し始めたのが1年くらい前です。これまでに5回くらい出展しました。個人では家具をテーマにしたカレンダーとか、自分がやりたいものを作っています。 友達と『海の家』をコンセプトにしたポップアップも時々やっていて、友達のおばあちゃんが昔やっていた海の家を借りてイベントをやったりしています。都内でも年に2回くらい開催しています。

きっかけ

どうやってクリエイティブの世界に入ったのか、伺わせてください。

家具が好きです。作るというより描くのが好きなんです。実際に手を動かして家具を作るとなると知識も必要だし時間もかかるけど、頭の中に浮かんだ理想の家具を絵で生み出していくのが楽しいです。 1つ1つの家具に強い思いを込めるというより、いろんなものを組み合わせる方が好きです。 多分、自分の目指している世界とか理想の世界があって、最近はそれを形にしている感覚があります。 もともと絵は好きだったけど、本格的に始めたのは前職で人材会社の企画をやっていた時です。フルリモートだったので、時間ができて絵を描き始めて、それが本格的なスタートになりました。 zineフェスにはお客さんとして何回か行っていて、いつか出たいなと思っていたんですけど、自身も技術もないしなかなか重い腰が上がらなくて...。 たまたま地元のパルコで開催することを知って、『地元なら出てみよう』と思ったのがきっかけです。最初は緊張したけど、ものすごく楽しかったです。 それまで私の周りには気が合う友達はいたけど、同じようにデザインやものづくりをやってる人はいなかったんです。 そこで初めてそういう人たちに会えて、自分の好きなことを発信する人がこんなにいるんだ!やっと仲間入りできた!って思いました。 最初は何もわからず行ったので友達も呼ばなかった。初めてだったから『いろんな人に挨拶してみよう!』って気持ちで参加してみました。誰も手に取ってくれなかったらどうしようって不安はありましたが、興味ある人が自然と来てくれてとっても嬉しかったです。 何よりも、自分のことを全然知らない人が手に取ってくれて、お金を出してくれるっていう体験がすごく楽しくて。癖になって定期的に参加するようになりました。素敵な写真をとる先輩と一緒に参加した時は、コラボのキーホルダーを作ったりしてそれもすごく楽しかったです。 zineフェスは仲間に会える場所です。同じことが好きでやってる人たちと繋がれた場所。 zineフェスに出たことでデザインの学校に行こうと思ったし、人生が変わったなって思います。

つくる楽しさと難しさ

ものづくりをしていて、一番楽しい瞬間ってなんですか?

一番楽しいのはアイデアが出てきた瞬間です。私は人の話を聞けずに違うことを考えてることが多いんですけど、その時にふとアイデアが浮かんで『これを形にしたい!』って思う時がめちゃくちゃ楽しい。時間の概念を忘れます。集中力と情熱という意味では、クリエイティブな活動もプロスポーツ選手みたいなものなのかも。 逆に辛いのは興味がない課題。学校のカメラの授業で『普通のケーキをめちゃくちゃ美味しそうに撮る』とか、嘘っぽく感じてしまって辛かったです。広告とかにはあまり興味がなくて、売れるために誇張するみたいなことはちょっと違うのかもと思っています。もちろんお金をいただく以上必要なことではあると思うんだけれど。 逆に、ブランドデザインの授業はすごく楽しかったです。私は陶芸教室とカフェが併設されていて、常連さんが自分の作ったカップを置いておけるっていうコンセプトの飲食店を考えました。そのカップでコーヒーを飲めるようにしたら、そこからコミュニケーションが生まれると思って。そのカフェはいつか実際にやりたいです。 父が料理人なので、父のレストランのブランディングもやりたいし、保護猫活動や社会貢献につながるデザインもしたいです。でも『絶対にこれ!』みたいな目標は立てません。「何歳までにこれをやって年収いくら」みたいな計画は自分がつらくなると思うから。 10月4日に浅草で開催されるzineフェスに友達と一緒に出展します。エレベーターをテーマに、私の周りの素敵なクリエイターのみんなの作品集みたいなzineを作っています。 将来の夢で言うと、好きなアーティスト(カネコアヤノさん)のCDジャケットやグッズに携わってみたいです。(本当に大きな目標!)

価値観の定義

ご自身のタイトルは何と表現しますか?

アーティストは自分の伝えたいことを作品に込めるイメージがあるけど、私はそうじゃなくて。自分の好きなことをやって、それを良いと思ってくれる人がいたら嬉しい、という気持ちでつくっています。 「作品にメッセージ性がないとアーティストじゃないのかな...」と落ち込んだこともあったけど、学校でアートとデザインの違いを学んで、自分のやりたいことはデザインだと確信しました。ブランドや店舗の課題解決に興味があります。 私は体力がある方なので、クリーンな働き方じゃなくても大丈夫。やりたいことならプライベートを犠牲にしてもいいからやりたい!って思うタイプです。仕事中心の生活に憧れています。仕事をする上で楽しく話せるのは大事なことだと思います。私は効率化されたオンラインコミュニケーションは苦手。直接会って交流したい。

創作活動を始めて、どんなふうに自分が変わったんですか?

創作活動を始めてから自信がつきました。自分のいいと思うものをいいと思ってくれる人がいるんだって実感しました。「やってみないとわからない」と思うようになって、さらにポジティブになりました。 落ち込むこともあるけど、すぐ忘れます。悩んだことは覚えてるけど理由を忘れるので、また同じことをやっちゃう(笑)。でもメンタルはすごく健康だと思います。

日本や東京への想い

東京という街について、どんなふうに感じていますか?

関東に住んでますが、実は東京がすごく好きってわけじゃないんです。都会が近いようで遠い町って感じ。人との距離も遠い気がします。でもいい仲間や友達に出会えたのは東京なので、出会いの場としては最高。 ただ都会は疲れる。歌舞伎町や渋谷のゴミを見ると悲しい気持ちになるし、人の負の面を見るのが苦手。だからずっと都会にいるのはしんどいです。 理想は田舎と都会の二拠点生活。住む場所は田舎がいいけど、好きな人たちは都会にいるから間をとってリモートと出社を組み合わせたい。北海道に行っても毎日出社して仲良くなりたいけど、月の半分は関東で働けたら最高です。 その会社は、デザインがめちゃくちゃ好みなんです。北海道旅行で可愛いと思った喫茶店があって、後から知ったんですけど、そのお店をプロデュースしていたのがその会社で。すごく縁を感じてしまいました。

届けたいメッセージ

新しいことを始めたい人に、届けたいメッセージはありますか?

デザインを始めたい人がいたら、とりあえずIllustratorをダウンロードして、作りたいものを決めてやってみる、って言うかなあ。「これをできるようになりたい」っていう気持ちが一番エネルギーになります。 ギターを始めた時、どうしても弾きたい曲があって、そのためにFコードを練習したんです。目標を明確にして、それができるまでやることが大事なんだと感じます。

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